海外営業
M.H
本社 海外営業部
テスト
K.I
本社 技術部 テストグループ
機械設計
R.T
本社 技術部 設計グループ
海外営業
M.H
本社 海外営業部
テスト
K.I
本社 技術部 テストグループ
機械設計
R.T
本社 技術部 設計グループ
日本ではあまり馴染みが少ないピスタチオチョコ。実はヨーロッパをはじめ、世界規模で人気を集めるネスレの代表的な商品のひとつなのだ。ピスタチオは、ウルシ科カイノキ属の落葉亜高木になるナッツの1種で日本でも馴染みがある。
しかし、虫の食害なども多く、小さな穴が空いたものは食べられないため、除去廃棄の対象となる。その選別は人の目視によって行われ、非常に生産性が悪く、人件費も嵩む。選別機開発にはネスレ御用達の名だたる設備メーカーがチャレンジしたが、成功することはなかった。そんなとき、とある日本の小さなメーカーの名前が浮上した。


世界に名を馳せるトップメーカーでさえ、まだオペレーターが手作業で行っている工程がピスタチオの選別だった。大量生産するためには、それだけの量のピスタチオを厳選する必要がある。
しかし、手作業には限界があるし、人の集中力などそう長くは持たないだろう。その結果、選別を掻い潜るピスタチオもある。それがチョコレートに使われると、いくら世界的メーカーでも、そのブランド力を揺るがす事態につながることにもなる。
海外営業
M.H
各国にあるネスレの工場では、イノベーションを通じ大胆な業務改革が推し進められていて、ピスタチオ選別の自動化は、長年追い求める改革のひとつだったんです。
それだけ重要な課題にもかかわらず、今まで自動化できなかったのには理由がある。それは、サンプルだけでは計測できない、ピスタチオの色の変化だ。
テスト
K.I
ピスタチオは時間経過により、色合いが変化していきます。それが予想以上に幅広く、分類も細かい。これは納入してからも継続して調整を行うほど難しかったです。また薄皮や虫食いの穴の色の区別も難しく、検出できるようにするためには、ひとつの技術だけでは不可能だと私たちは結論づけました。
このように色変化の振り幅が広く、かつ不良品との区別がつきにくい色となると、単一の技術だけで選別することは難しく、複合的かつ大掛かりなものになってしまう。新たな技術領域や実績のない技術を用いなければならないことが、これまでうまくいかなかった理由となっていた。
黄色、焦茶、緑、紫…多彩な色を持つピスタチオだが、こんなに単純な色分類ではなく、なに色と表現できないようなものもある。加えて、カタチもバラバラで、表面に傷みのあるものも見分けなければならず、さらに複雑で選別しづらい状況になっていた。
機械設計
R.T
今回、バキューム選別とマグネット選別、そしてAIの画像処理により識別させる3つの工程でピスタチオの異物除去を提案しました。ここまで大掛かりになってしまったのは、選別が難しい材料だったこともそうですが、やはりネスレの厳格な選別基準に対応しなければならなかったからです。
実は、ネスレへの設備導入は、技術力や実績だけで易々と取引を結ぶことはできない。業界のトップグローバル企業であるが故、安全基準もさることながら信用できる企業であるか否か、その審査基準もとてもハードルが高い。百戦錬磨のM.Hであっても世界の壁の高さと厚みを感じたと語る。
海外営業
M.H
導入して成功させたいという相手の熱心で真摯な態度には、終始こちらも助けられました。私たちがチャレンジする姿勢にもしっかりと目を向けてくれ、担当者が力添えしてくれたおかげで、ネスレのベンダー登録(設備を依頼できる認定のパートナー)を果たせました。もちろん駆け引きはありましたが…。
このプロジェクトで特に印象的だったのは、徹底した作り込みだった。満足していただくまで追求していくやり方は、これまでの服部製作所では当たり前のことではあった。
海外営業
M.H
ただ、ネスレは機能面だけでなく、規格面や仕様面での要求が、ある意味、日本以上にシビアに感じました。特に設備の作動音に関しては、想像以上に厳しく要求されましたね。海外メーカーではよくあるオーダーで、働く人たちが安全に作業できるようにとの考えがあってのことです。従業員への配慮はすばらしい文化ですし、私たちも見習いたいところです。


服部製作所がこれまで取り扱った選別材料の中でも最上級に難易度の高かったピスタチオの選別。設備を納入した現在も、実用使用されながらバリデーションを継続しているのだそう。それはサンプルパターンがまだまだ存在し、パフォーマンスアップできる伸び代があると考えているからだ。作って納品すれば終わり。そんなメーカーも少なくはない。けれど、技術者としてまだ満足しきれていない部分へ、貪欲に向き合うのが服部製作所だ。それは、モノづくりに携わるものにとっては革命的な開発環境だといえるのかもしれない。
そしてこのプロジェクトだからこそ味わえたものがある。それは、据付後に現地訪問したときの出来事。
テスト
K.I
設備が動き出すまでの間、ネスレのスタッフに私語はなく、真剣な眼差しでずっと工事を見つめ続けていました。据え付けが終わり、火入れして稼働しだしたときの喜び方は、今まで経験した他のどこよりも大きかったように感じました。
稼働後、服部製作所のスタッフたちはランチに誘われた。他に誰もいない、現地の高級レストランで祝杯を交わした。そのときに、自分たちの成し遂げた大きさを感じたという。一生涯、このシーンは忘れられないに違いない。
海外営業
M.H
現地での喜びは直接目で見ましたし、満足されていることは聞いていました。ですが、まさかネスレグループ内のニュースで『Shering Best Practice』、大きな業務改革の成功例として取り上げていただき、世界規模で周知していただけたのは驚きでした。ピスタチオの選別がいかに大きな課題だったか、改めて実感しましたし、その解決=素晴らしい成果と認められた証だと捉えています。
日本のサムライたちの成果は語り継がれることだろう。けれど、これからはそれを積み重ね、日本から世界のサムライとして広く知られる日も近いかもれない。
海外営業
M.H
営業としてなかなかマーケティングにまで手が回っていなかったですが、逆にアピール力に優れるプロジェクトとなりました。大きかったのは、同社に取引実績のあった欧米各社に技術差で競り勝ったこと。これは、今後にもつながってくるでしょう。特に欧米企業間では限定的だった私たちの認知が一気に広がる可能性がありますから、引き締めなおして、もっと海外のニーズに切り込んでいきたいと思います。
テスト
K.I
このプロジェクトは納品までのスケジュールがとてもタイトだったので、いつも以上に、設計・ソフト開発・製造と頻繁かつ密にコミュニケーションをとりながら機械を完成させました。また、海外仕様に対応していない新機種だったので、通常の調整とは別にソフトウェアのデバッグ対応に苦労しましたが、こうした経験も必ず次のモノづくりに活かせるので、また新しいチャレンジにも加わっていきたいです。
機械設計
R.T
ピスタチオは硬く丈夫なナッツという印象を持っていましたが、実際はとても繊細でわずかな衝撃でも薄皮が剥がれるので、選別可能な状態で選別機に搬送するための設計は重要なポイントになりました。今回はピスタチオでしたが、選別対象の材料の特性を理解した上で仕組み全体を構築していくモノづくりこそ、服部製作所らしさですし、多くの学びを得られる機会になっていると思います。